麺をすする音はマナー違反どころか気持ちが悪い
日本人特有の食事の仕方といえば麺をすするのですが、外国では食事の時に音を立てるのはマナー違反とされていて、タイでも同様に音を立てて食べる事はしません。
実は私は小学校に上る前にオーストリアに1年ほど滞在したことがあります。
私の父親が私同様あれな人で、海外に住んでみるというのは良い経験になるとヴェルスで駐在員をしている父の友人の家に住むことになったのです。
最初、父から
「〇〇おじさんのところに行ってみるか?」
と聞かれ、お年玉やおみやげをくれるおじさんが大好きだった私は二つ返事で快諾しました。
しかし、当時まだ6歳だった私は東京とか大阪に遊びに行くだけのつもりだったのに、なぜか日本語が一切通用しない国で生活することになってしまいました。
空港に降り立った時の絶望感は今でも覚えています。
まあ、何の発展も父が言うところの得るものも大して無く1年後に帰国したのですが、その時日本人の食事の仕方が異常に気持ち悪いと感じたのです。それは…
麺をすする音。
帰ってすぐレストランに行ったのですが、周囲から聞こえる「ズー」という音がとても気持ち悪いのです。
なぜ気持ち悪くなったのかというと、欧米では鼻をすするという事が大変汚い行為とされていて、レストランでそれをやるという事自体が信じられない最低のマナーとされています。
私もオーストリアにいた時に、おじさんから
「スープはすすっちゃダメだよ。鼻水をすすっている音に似ているでしょ?」
「鼻水をすするとどうする?飲むでしょ?汚いよね?」
たしかにそうなのです。
鼻水をすすると、多分にもれずその鼻水を飲んでいるのです。
今、これを書いているだけで気持ち悪くなってきたのですが、これをレストランでやるのは言語道断だし、連想させる音を出すというのも最低のマナーと言えます。
ですので、外国人がレストランで鼻をかむという光景を見ると日本人としては汚いと思うかもしれませんが、外国人からしてみたら、「鼻水を飲むより良いだろ?」と感じるのだそうです。
日本に帰ってしばらくするとそいういう感情は綺麗さっぱり消えてなくなり麺をずるずるすすっていたのですが、タイに来てその感覚が蘇ってきました。
日本人が集まるラーメン屋に行くとちょっと気持ち悪くなってくるようになってきたのです。
すすって食べるのは日本食のマナーだとか食文化だとか言う人がいますが、それは日本だけでやったほうが良いのではないでしょうか?
むしろ、音を立てて食べるのがマナーになった事は無く、13世紀に道元が始めて書いた食事の作法書にも「音を立てて食べてはいけない。」と記されています。
そうやって食べた方が美味しいというのも良くわかります。
ざるそばなんてちまちま食べてらんないですからね。
だけど、そいういう文化のない周囲の人にとっては、鼻水をすすって飲んでいるという音に聞こえてしまい気持ち悪がられているのですから。