バックパッカーの持論

私は猿岩石がロンドンまでの旅をテレビで見て東南アジアへ行きたいと思った世代なのです。

旅帰りのバックパッカー達の話を聞いて東南アジアへの思いをふくらませていました。

当時まだ20代前半だった私は彼等の話を聞く事くらいしかできなかったのです。

「今すぐにでも行きたい!」

そう思っていた私を思いとどまらせたのは、彼等バックパッカー達の言葉でした。

「日本は大した国じゃない。」
「まずしいのは日本の方だ。」
「マリファナはタバコより害がない。」

ほとんどのバックパッカー達はこの手の話をしていたのですが、それが私には本当に違和感があったのです。

確かに経済大国になった日本は失ったものも多くあるのでしょう、しかし失ったもの以上に得たものは大変多くあると思います。

そして、経済活動を追求するあまり失ったものが大きいという持論を持っているバックパッカーは非常に多く、そういう日本人とは自分は違うという論調になっていくのですが、その人達が頑張ったおかげで強い円を持ち、海外に旅立つことができたという事実には一切触れる人はいませんでした。

自分たちは誰からの助けも得ずに自由気ままに旅をしている。そう言いたいのでしょうが、実は自分が一番嫌っている人たちが頑張っているおかげで旅が出来ているのです。

なぜそれに目をそむけるのか、若い私にでも容易に分かることが分からない。そういうバックパッカーだらけでした。

そういう人たちは話のついでに絶対に、

「マリファナはタバコより害がないんだよ。」

という話題をしてくるのです。

本当にほとんどの人がそういうのですが、害があるかどうかで禁止されているのではなく、法律で禁止されているからやってはいけないのだという事実に目をそむけているだけだと思うのです。

害があるかどうかを語る時、同じ量を同じ期間吸った人のデータが必要です。

毎日マリファナをジョイントで20本、20年間吸い続けた被験者を1000人集めなければデータとして評価されないのですから、タバコより害がないとは一概に言えませんし、まず煙草の害が正確に解明されていない時点で比較対象にならないのです。

事実には背を向け、社会不適合者なのにも関わらず、「そうではない、自分という人材を扱えない社会が悪い。」という同じ理由を言うバックパッカーの多さ。

それに嫌気が差して、「あの人達は自分の国を愛せず、言い訳ばかりしている。」という結論に達したわけです。

自分の国を知らないという事は、外国に出てその土地の人に「お前の国はどんな国なんだ?」と聞かれた時どう答えるのでしょうか?「大した国じゃない。」と答える事になりかねないじゃないですか?現実にそうだからバックパッカー達はその様な持論を持ってしまうのでしょうね。

私はそれがものすごく恥ずかしい事だと思うのです。

自分の国はダメな国だと吹聴して回る日本人。

だから私は自分の国を知ろう、それから旅に出ようと考えたのです。

ちょっと遅かったかもしれませんが、私にはベストタイミング。

沢木耕太郎氏が言う「26歳までには旅に出るべき。」という意見も同意するけど、今がベストタイミング。

そう思いたい。